週末の学びログ

週末の学びをログとして残していきたいと思います。

就職先選びが変わることで、日本のイノベーション促進に繋がる。

米ブランドコンサルティング大手、インターブランドが「ベストグローバルブランド2016」を発表した。地域別にランキングを見てみると、ベスト100のうちの54社と過半数を占めたのが米国。アジア地域では11ブランドであった。日本企業では、5位のトヨタ、21位にホンダ、42位のキヤノン、43位日産、58位 SONY、68位パナソニック。ランクインのは6社と寂しい結果となったのである。多くの米国企業がランクインしているのには、シリコンバレーにて新しい技術を用いたスタートアップ企業が次々と生まれ、その企業が大きく成長していく仕組みが存在するのが背景にある。

シリコンバレーからGoogleAmazonFacebookが生まれたアメリカでは、優秀な人材の就職先の選び方においても日本それとは大きく異なる。

「大企業と中小企業、どちらで働く?」

日本学生の就職先の選択について2017年3月卒業予定の学生を対象に調査した、楽天2016年度卒 新卒就職人気企業ランキングによると、上位の企業は誰もが知る、いわゆる「大企業」がほとんど全てを占めており、前年度にもランクインしているような「安定」した企業がほとんどである。このランキングに表れているように、日本では「安定さ・高給料・好待遇」を求めて大企業に就職したいと望む学生が過半数を占めており、人によっては大企業に採用される・働くことが、人生における勝ち組として捉えられることさえある。

日本では大企業で働く事がステータスになっている様だ。

 

「アメリカでは優秀な人ほどスタートアップで働き、起業する」

ではアメリカでの状況はどうなのか?真逆である。

大手経営コンサルティング会社アクセンチュアの調査によると、2015年に卒業したアメリカの学生で大企業にて働きたいと答えたのはたった15%にしか満たない。

一番人気は中小企業の35%で、政府機関で働きたいと答えたのもたった10%であった。

また、Glassdoor社が行う従業員自身が投票する「Best place to work(最高の職場)」ランキングにおいて、1位のAirbnbをはじめとして、上位に入った企業の約半数が、ミレニアル世代と同じく、2000年以降にできたスタートアップ企業であった。この事からも、アメリカではスタートアップ企業の台頭が著しく進んでおり、アメリカの若者にとってもスタートアップへの就職が決して珍しい選択肢ではない事がわかる。

 

このように日本とアメリカでは人材の就職先選びが大きく異なっているのである。世の中に新しい価値を生み出すスタートアップに就職を希望するアメリカと安定や高待遇を希望する日本という構図である。優秀人材が起業し、成長するスタートアップが次々と生まれる仕組み、そして優良スタートアップに優秀人材が就職する社会的流れが生まれることで、日本企業のイノベーション促進に繋がるのではないだろうか。

 人材会社として、学生に対して大手企業への就職だけではなく、中小企業やスタートアップ企業への就職がステータスになるような環境創り、サービス創りが求められている。